toubyo’s diary

白血病と診断されたサラリーマンの闘病生活をつづります。

父の後悔

いつも陽気な父だか、お酒を飲んでいる時ふと言った一言が今も忘れられない。

 

「あまり旅行など連れて行けなかったし、そんなに遊んでやれなかったのは申し訳なかったな。」

 

父は夜勤ありの3交代制で働いてた。

休みもまばらということもあり遠方に出掛けた回数は普通の家庭と比べると大分少ないだろう。

泊まり掛けの旅行など記憶にあるのは2度程度だ。

大人になってあまり金銭的にも裕福とはいえなかったとも知った。

 

しかし子供の僕からすると正直そんな思いは一度も感じたことが無かった、確かに遊ぶとしても近場だし出かける回数も少なかったかもしれない。

 

でも近くの山でバイクの2人乗りをジェットコースターのようにしてくれたこと、下らない遊びや雑学を沢山教えてくれたこと、今思えば子供騙しな手品でワクワクさせてくれたこと、いつも僕を笑顔にしてくれた。

 

小学校5年生の時、親友から「おまえのお父さん面白いよな、俺のお父さんもあんなんだったらなあ」と言われたなんてこともあった。それくらい父は僕を周りを十分楽しませてくれていた。

 

そして何より夜勤開けの眠い中、こそこそと布団に潜り込む息子をいつも温かく迎えてくれたこと、大人になった今だからこそ沢山の愛情を感じる。

 

あの時、父の申し訳なかったなと言う発言に、上手く返せなかったことを今でも少し後悔している。

 

だから上手い返しを考えて、感謝の気持ちを伝えたいと思ってる。

 

本当は父の葬儀で言ってやろうとずっと思ってたけど、もうどっちが先かわからないから。

 

でよやっぱり恥ずかしくなったら手紙になっちゃうかもな。

 

お父さんありがとう。